SDGsの理解を深めるため17の目標を一つずつ解説するシリーズ[What’s SDGs]
SDGsを豊かな生活を送るヒントとして自分事として考え行動することを目的としています。
こんな方におススメです
- SDGsに興味がある
- SDGsについてどんな行動すればよいのかわからない
SDGsを取り組むメリット
SDGsを意識することで自然と毎日の行動が変わり生活の質が向上していきます。
一見関係のないように見えますが、SDGsを意識することでシンプルでミニマルな生活を送ることに繋がると感じています。
考え方が変わると日々の選択が変わり、行動が変わる。
何が必要で何が必要でないかが見えてくるとシンプルでミニマルな生活にぐっと近づくと思います。ぜひ最後までご覧ください。
SDGssを理解するメリット
- SDGsに対する個人の取り組むべき行動はQOL(生活の質)を向上することに繋がる
- モノやコトを選ぶ基準が変わり責任ある選択ができる
- 本当に必要なモノ・コトが明確になり、ミニマルな思考になる
まずはSDGsをざっくり理解しよう。
SDGsを目標別にわかりやすく解説 【What’s SDGs ?】記事一覧
SDGs 目標10 世界中から不平等をなくそう 【What’s SDGs ? #10】
今回は目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
一見すると非常にわかりにくいテーマですよね。ざっくりとしていてイメージが湧きづらい印象ですが、ユニセフSDGs CLUBを参照してみると、次のようなサブテーマがかいてありました。
“災害に強いインフラを整え、新しい技術を開発し、みんなに役立つ安定した産業化を進めよう”
少しかみ砕くと、災害という非常事態に耐えうる強いインフラを整えることをまずは考えて、そのために新しい技術開発やみんなに役立つ安定した持続可能な産業を進めていく。これが大きなテーマと解釈されているように思います。
この内容を踏まえて10のターゲットを見ていきます。
目標10のターゲット
ターゲットとは?
ターゲットとは「1-1」のように数字で示されるものは、それぞれの項目の達成目標を示しています「1-a」のようにアルファベットで示されるものは、実現のための方法を示しています
ターゲット
- 【10-1】2030年までに、各国のなかで所得の低いほうから40%の人びとの所得の増え方が、国全体の平均を上回るようにして、そのペースを保つ。※所得:お給料など働いて得るお金や、持っている資産からの収入など。
- 【10-2】2030年までに、年齢、性別、障がい、人種、民族、生まれ、宗教、経済状態などにかかわらず、すべての人が、能力を高め、社会的、経済的、政治的に取り残されないようにすすめる。
- 【10-3】 差別的な法律、政策やならわしをなくし、適切な法律や政策、行動をすすめることなどによって、人びとが平等な機会(チャンス)をもてるようにし、人びとが得る結果(たとえば所得など)についての格差を減らす。
- 【10-4】財政、賃金、社会保障などに関する政策をとることによって、だんだんと、より大きな平等を達成していく。
- 【10-5】世界の金融市場と金融機関に対するルールと、ルールが守られているか監視するシステムをより良いものにして、ルールが、よりしっかりと実行されるようにする。
- 【10-6】世界経済や金融制度について何か決めるときに、開発途上国の参加や発言を増やすことによって、より効果的で、信頼できる、だれもが納得することのできる制度を作る。
- 【10-7】計画にもとづいてよく管理された移住に関する政策を実施するなどして、混乱がなく安全で、手続きにしたがい責任ある形の移住や人びとの移動をすすめる。
- 【10-a】開発途上国、特にもっとも開発が遅れている国ぐにに対して、世界貿易機関(WTO)協定にしたがって、貿易において、特別な、先進国と異なる扱い※をする。
※先進国に安く輸出したり、国内産業を守るために輸入品に高い関税をかけるなど
- 【10-b】
もっとも開発が遅れている国や、アフリカ諸国、開発途上の小さい島国、内陸の開発途上国などの、もっとも資金を必要とする国ぐにへ、それらの国の計画にそって、政府開発援助※や直接投資などの資金が流れるようにする。※政府開発援助(ODA):先進国の政府などが、開発途上国の経済や社会の発展、福祉の向上に役立つために、資金・技術を提供すること。
- 【10-c】2030年までに、移住労働者※が、自分の国にお金を送る時にかかる費用が「送る金額の3%」より低くなるようにし、「送る金額の5%」を超えるような費用がかかる送金方法をなくす。
※移住労働者:開発途上国から出稼ぎに出ている人など、母国をはなれて外国に出て働いている人
なぜ目標10が必要なのか?
世界中で広がる格差
富と所得の格差が多くの国でかつてないほど拡大しています。2017年には世界人口のもっとも豊かな1%の人が持つ資産が世界全体の資産の約33%に相当し、もっとも貧しい25%の人が持つ資産の割合は10%にすぎませんでした。
たとえば、世界を生徒40人の教室、世界全体の資産を40冊のノートとします。そうすると、以下のような割合でノートが配分されることになります。つまり、もっとも貧しい10人には4冊のノートしか配分されないことになります。
もっとも豊かな人のグループにはますます富が集まり、豊かな状況が固定化する傾向がある一方で、もっとも貧しい人たちのグループでは、子どもたちが量も質も不十分な食事しかとれなかったり、病気になっても病院にかかることができなかったり、学校に通うこともできなくなったりと、さまざまな困難に直面します。教育の機会を失えば、希望する仕事についてお金をかせぐことも難しくなり、貧しい生活からぬけ出せず、その人の子どもの世代にも苦しい生活が受け継がれてしまうことになります。
「社会保障」が届かない人びと
病気やけが、障がい、失業、老齢など、自分の努力だけでは解決できないようなことがあり、自分の力で生活をしていくことが難しくなってしまうこともあります。生活をしていくことが難しくなったりしたときに、必要なお金を支給したりして、最低限の生活を営むことができるようにするのが、社会保障の役割です。社会保障は、大変な時の助け舟、セーフティーネットの役割をもっていて、人々の基本的人権を守ります。
社会保障は、年金、医療、介護、子ども・子育てなどの分野に分けられ、日本では国の一般会計歳出の約3分の1を占める支出項目となっています。(財務省ホームページ「増大する社会保障とは何か」)世界を見渡してみると、社会保障制度がない国もあります。どれくらいの人が社会保障で守られているのでしょう?
社会保障給付を受けられる子どもの割合は、35%。つまり「家族の収入がなくなったりして生活していけなくなったときに、政府が手助けをしてくれる制度がある国」に住んでいるのは、世界中の子どものうち、3人にひとり、ということになります。3人のうち2人は「どんな困った状況になっても、政府が手助けをしてくれる制度がない国」に暮らしています。また、社会保障がある国でも、国の財政がきびしいために、子どもへの給付額を減らしている国もあります。
社会保障や子どもへの手当があれば、子どもたちは栄養をとれたり、保健や医療を受けられたり、学校へ通ったり、働かなくてもすむようになったりします。すべての子どもを対象にした社会保障制度が早く作られ、しっかり実施されていくことが大切です。
それぞれの目標から見える不平等
不平等というキーワードは目標ごとに存在しています。SDGsは「誰一人取り残さない」ことを宣言しているので世界中に存在している格差や不平等をなくすことが目的と言い換えても良いかもしれません。
SDGsは目標それぞれが密接に関係しあっていますので、特に関係が深いと思われる目標を挙げておきます。それぞれ解説していますので、チェックしてみてください。
自分ができること。
フェアトレード商品を購入する。
SDGsに対して個人が貢献できる取り組みとして「フェアトレード商品の購入」は過去にも紹介してきました。今回はおすすめのブランドを紹介します。
People Treeピープルツリー
1991年に日本で生まれた、フェアトレード専門ブランドのピープルツリー。20年以上前からコーヒー、紅茶、チョコレートなど、おいしくて、やさしい気持ちになれるフェアトレード・フードを届けているブランドです。
ピープルツリーはWFTO(世界フェアトレード連盟)が定めるフェアトレード団体が順守すべき10の指針を守り、農家や工場の人たちと話し合いながら、商品をつくります。顔の見える人たちのものだからこそ安心・安全。フェアトレードの食品を選ぶことは、つくる人たちの暮らしを支えます。
チョコレートやドライフルーツは自然な甘さが魅力で本当においしいです。自分が勤めていた店舗で取り扱いがあったので当時はブランド背景は特に気にせず、純粋に美味しいのでよく食べていました。実はフェアトレード専門のブランドであったことは今になって驚きでした。ぜひチェックしてみてください。
フェアトレードチョコレート
SDGs取り組み事例については外務省のHPから目標ごとに確認することが出来ます。気になった目標に対して普段利用している企業は取り組んでいるのか。逆に好きな企業のHPではSDGsについて発信してることがあるのか見てみるのも面白いです。
外務省ホームページでは目標ごとに、取り組みを行っている企業を一覧で観ることが出来ますので参考にしてみてください。
フェアトレードは目標目標8「働きがいも経済成長も」に関連する内容ですのでこちらもチェックしてみてください。
まとめ
POINT
- 目標10はSDGsの大きな目的を果たす意味を持つ
- 関連する目標の達成を目指すことで目標10も達成される
- 自分にできることも継続可能で無理のない行動を試してみる
目標10はSDGsの中でも大きな意味を持つ目標であると感じます。関連するそれぞれの目標を達成することで目標10の達成もできる仕組みになっています。
自分にできることは限られていますが、逆にやることは決まっているとも取れます。そんな選択肢を日常に落とし込むことで自然と生活の質が向上したり、気持ちが豊かになると思います。
行動が変われば日々の選択が変わり生活の質が変わる。
この記事が皆さんの生活の質を、心が豊になる生活のきっかけになれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
参考:SDGs CLUB , 外務省 JAPAN SDGs Action ,