ユニクロ ウイグル問題とは?【わかりやすく解説】
今回はユニクロについて商品レビュー、、、ではなく、
ユニクロやめてみたら生活はどうなるか?を実践し感じたことをご紹介していきます。
なぜやめてみることにしたのか、それは今回のウイグル問題に対する企業の対応に失望してしまったからです。それがきっかけとなり価値観の変化や、商品を購入する基準を見直すことが出来ました
何をそんなに難しく考えているのか?と思う方もいると思いますが、ユニクロが好きで生活の一部になっていたからこそ「脱ユニクロ」がちょっと難しく感じていました。
特にユニクロに思い入れはないけど普通に購入するという方にも関係する内容ですので、ぜひ最後まで見ていただきたいです。
最後におススメのブランドもご紹介していますので、気になる方は併せてチェックしてみてください。
こんな方におススメです
- ユニクロのウイグル問題の対応でユニクロに失望してしまった
- ユニクロ以外で新しいワードローブとなるアイテムを探している
- SDGs やESGに興味がある
なぜユニクロをやめるのか?
なぜユニクロをやめるのか。それは先日話題になった中国の新疆ウイグル自治区をめぐる問題について、ファーストリテイリング柳井社長の発言が大きな引き金となりました。
「人権問題というよりも政治問題であり、われわれは常に政治的に中立だ」
この発言により炎上していることは記憶に新しいですが、何が問題だったのか。それはやはり政治的な問題として片づけ、自社はこの問題に関与せず現状維持する=容認すると受け止められたことだと思います。
NHKなどの報道によると、柳井氏は新疆ウイグル自治区から調達した綿花を使用しているかという記者の質問に対し、強制労働などの問題がある工場との取引は否定したうえで、「これは人権問題というよりも政治問題。われわれは政治的に中立なんで。これ以上発言する政治的になりますんで、ノーコメントとさせていただきます」と回答を控えたという。
HUFFPOSTより
正直、本当に残念な発言でした。
ユニクロが好きで、ユニクロが掲げる「lifewear」というテーマにも共感していたし、まさに体現しているブランドとして、生活に欠かせない存在となっていただけに「目をつむる」ような発言には落胆してしまいました。
この発言の裏側には、言及することで中国国内でユニクロ不買運動が起き、中国マーケットに大きなダメージが出ることを懸念したといわれています。
事実、新疆産綿花を調達しない方針を示唆していたH&Mなどへの不買運動が拡大しています。今後アジアのマーケットを拡大する方針のようなので、どっちつかずの態度になっている印象です。
ウイグル問題とは
新疆ウイグル自治区で採れる綿花は「新疆綿」と呼ばれ、高品質なことで知られていますが、ウイグル族の強制労働や大量虐殺など人命・人権問題が存在することが指摘されています。
2021年3月には、EUが、アメリカ・イギリス・カナダと歩調を合わせるかたちで、中国高官らに資産凍結などの制裁を科すなど国際的な問題になっています。
こういった国際的な動きからもウイグル問題は、政治的な問題であると同時に人権問題であることは明らかな状況で、今回はウイグル族を支援するフランスのNGO団体から告発され、今回の事態に繋がっていくわけです。
中国という巨大なマーケットにでの成長と人権のどちらを優先するのかそんな天秤が見え透いている状況に、嫌気がさしてしまいます。
サプライチェーンにおける透明性
サプライチェーンとは製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の一連の流れのことをいいます。
食品に例えると、例えば店内で販売しているトウモロコシの天ぷらは北海道の○○さんが経営する○○農園で取れたトウモロコシを○○製法で輸送され、店内手作業で調理している。というような形です。
「生産者さんの顔が見える」というようなキャッチフレーズをよく目にすることがありますが、これもサプライチェーンの一部の情報ということになります。
ファッション業界ではこのサプライチェーンが非常に見えずらい業界であり、透明性が必要といわれます。今回の問題のように原材料の生産地が表に出ることはしばしばありますが、基本的には[MADE IN ○○]などざっくりとした情報しかわからず、食品程の透明性はありません。
ほとんどの方が商品が製造される過程にに興味がないかもしれませんが、ウイグル問題のように「サプライチェーンの一部で実は強制労働を強いられている」という事実があったらどうでしょうか?
消費者として気持ちの良い買い物ができるとは到底思えません。
こういったサプライチェーンにおける透明性を積極的に打ち出したり、情報を発信しているブランドの商品を購入したり応援することで、売上至上主義ではない企業が増えていくのではないかと思います。
個人の行動だけでは変革を生むのは難しいと思うので、ひとりひとりが自ら調べて行動に移していくことがやはり重要だと思います。
実際に購入・使用をやめてみたアイテム
今回のウイグル問題についての発言を受けて、思い切ってユニクロ製品の購入をやめました。
特にファッションアイテムや部屋着としてもよく使っていたTシャツなどのコットン製品をやめるのは割と大きな変化ではありました。
ですが当たり前ですが選択肢はたくさんあります。実際特に困ることはありません。強いて言えば毎年ヘビロテしていたエアリズムとヒートテックをどうしようかと思っているぐらいです。
この後ご紹介するカットソーブランドのように、新たに選ぶことのできるモノは必ず出てくるので大した心配ではないですね。逆にいかに視野が狭くなっていたかを思い知っています。。お恥ずかしい。。
新しく選んだもの
まず最も着用頻度の高いカットソー・Tシャツで選んだブランドは「LOS ANGERES APPAREL(ロサンゼルスアパレル)」でした。
以前何度かセレクトショップで目にしたことがあったのですが、ふと思い出してなんとなく調べてみると実は労働環境に関して情報発信し、雇用問題に積極的に取り組んでいるブランドでした。
LOS ANGERES APPARELの理念 -OUR VALUE-
1. 私たちは、:他とは違う手法にこだわっています。私たちは、お客様、従業員、株主、地域社会、そして世界の利益を向上させるために、効率性とサステナビリティー (持続可能性)に重点を置く一風変わりな会社です。
2. 生活賃金:私たちは、労働者に生活賃金を支払うよう努力しています。 そして、「The fight for $15 an hour」- 最低賃金時給15ドルの戦い – をサポートしています。
3. 従業員による所有権:私たちの従業員は、私たちの会社の株式を所有しています。
4. 雇用創出の約束:私たちは、ロサンゼルス地区で何千人もの労働者を雇用する、米国衣料品製造業のトッププレーヤーを目指しています。効率と倫理的な観点から我々は地元の製造業を信頼しています
5. 垂直統合式:私たちは、品質をコントロールするために、裁断や縫製をほとんど下請に出しません。これは、お客様との関わり合いへのコミットメントの一環です。身近な管理体制が労働者ひとり一人のスキルレベルをアップさせ、生活と人生の発展を強化させることにも役立っています。
6. 国内農業従事者と国内紡績業のサポート:私たちは、国内生産を支援するために、米国で生産された生地と糸製品を購入しようと努力しています。弊社糸消費量の半分以上は米国内で生産された物を使用しています。強力な国内産業は、長期的には弊社の財務上の可能性に大きく貢献するでしょう。ロサンゼルスは、国内および大陸の製造拠点に適しており、サプライチェーンの二酸化炭素排出量の影響を減らすことにより環境に良い影響も与えています。それがお客様の利益にも繋がります。
7.環境に配慮したソーシング:私たちは、サプライチェーンに以下を統合するよう努めています。:1. 環境に配慮したコットン、または、オーガニックコットン。2. リサイクル、または、再生綿。
8.リサイクル:私たちは、2018年までに廃棄物のほぼ100%をリサイクルする予定です。先進的な製造を使用することにより、製造プロセス中に製品によって発生する廃棄物を削減します。
9.環境に配慮した染色と仕上げ:カリフォルニア州は、染色業界において最も厳しい環境保護規則を課されています。よって、私たちがカリフォルニア州で生地や衣料品の殆ど全てを染色し仕上げる私たちの生産方式は、環境にやさしいと確信しています。
10.自由貿易を支持します:私たちは、ナショナリストではありません、世界中の自由貿易を支援します。効率と持続の可能性に対する責任感に忠実でありながらグローバルに競争できると信じているます。私たちの製品を世界に販売したい。私たちの市場にアクセスできる他の国々の重要性を理解しています。
LOS ANGERES APPEREL OUR VALUEより
これらの理念はまさにサプライチェーンの透明性を掲げていて、さらにはSDGsに通じる労働環境や環境問題など持続可能な企業を目指していました。
この理念はホームページのTOPページをスクロールするとすぐに確認できる位置にあり、誰もが確認できるようになっています。
実際購入したTシャツのタグには生産者さんの肖像(似顔絵)が描かれていてとてもユニークです。これも生産者と消費者の距離を縮める取り組みだそう。まさに「生産者の顔が見える」商品です。
抜群の着心地と”気分”に合うサイズ感とカラー展開
では実際の商品はどうなのか。結論から言うと個人的には抜群に使いやすい最高のカットソーです。
まずは生地の厚みがいい。6.5ozの程よい厚みは白Tでもちょうど透けないぐらいの厚みです。これが一枚着で着てもいいしインナーとしても使いやすい。着回し力抜群です。
さらに、洗うほどに柔らかくなる生地はストレスフリー。サイドに継ぎ目のない丸胴の形なので肌にタグがすれることがないので着心地が抜群です。
また、サイズ感が絶妙によい。アメリカサイズなので日本サイズだとワンサイズ大きく(日本のMがLサイズぐらい)なるので自然なオーバーサイズで着れます。わざとサイズアップしても抜け感が出て良い。カラー展開も豊富です。Amazonや楽天で購入できます。
ここまでいいところしかないともっと早く購入しておけばよかったと思うほどです。一瞬でファンになりました。今後もTシャツ以外でどんなアイテムがあるか探すのが楽しみです。
実は身近な労働と人権の問題
今回の問題で感じたことは自分の知らない場所で、基本的人権が守られていなかったり、知らないうちに間接的に自分が関与いる可能性があるということです。
ユニクロと同時に無印良品も告発されましたが、こちらも同様に事実関係が確認できない限りは取引を継続するというような内容でした。こちらも非常に残念な対応です。
無印良品のウイグル問題関する発言について
「新疆地区は中国産の綿の8~9割を占める広大な産地です。無印良品の綿を栽培する新疆地区の約5000ヘクタールの農場等については、畑や作業者のプロフィール、人員計画を把握し、栽培スケジュールに合わせて第三者機関を現地に派遣し、昨年も監査を行っています。これまでの監査において、法令または弊社の行動規範に対する重大な違反は確認しておりません」
良品計画 無印良品の綿とサプライチェーンについてより抜粋
無印良品についても脱無印を考えていますが、こちらも考え方ひとつで割と簡単に環境を変えることができるのではと思っています。こちらもまた実体験を元に紹介したいと思います。
発信される情報をただ単に受けるだけではなく、自分で調べて考えて選択すること。その大切さを改めて認識しています。
今回の問題で労働や人権に関する問題が実は身近にあるコトだと感じます。生活の中で訪れる選択するというアクションも少しでも後悔のないものにしてきたいと思います。
SDGsとの関連性
お話ししてきた内容に「SDGs」というキーワードが密接に関係しています。こちらについては自身も勉強しながら紹介していますのでぜひチェックしてほしいです。
このSDGsの目標の中には労働や人権に関する内容とともに、持続可能な事業についても書かれています。また似たようなキーワードが「ESG」「ESG投資」というものです。
ESGとは
「ESG」とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉です。近年では、この三つの観点から企業を分析して投資する「ESG投資」が注目されています。
企業の成長や評価には利益などの商業的な数値だけでなく、環境や社会問題への取り組み、ガバナンスが少なからず影響しているという考えが広まり、ESG投資が世界的な潮流となっています。将来の企業価値を見通す上で、ESGの重要性が認識されています。
ESGの認識が広まる中今回のようなユニクロや無印良品の対応は社会問題への取り組みとしてはどのように評価されるでしょうか?本来は社会問題に積極的に取り組む姿勢を見せるべきだと思いますが、とても消極的な対応で残念としか言いようがありません。
「SDGs」や「ESG」という目線で自分が普段利用している企業はどんな取り組みを行っているのかを調べてみるのも面白いですし、逆に積極的に取り組んでいる企業の商品やサービスを利用してみるのも新たな選択肢として楽しいと思います。
SDGsに関する記事はこちら
まとめ
POINT
- 商品のサプライチェーンに興味を持ってみる
- 実は労働や人権問題は身近なところにある
- 商品だけでなく企業の取り組みを調べてモノ・コトを選ぶ
ユニクロはおそらく利用したことがない人のほうが少ないんじゃないかというほど、大企業でグローバルなブランドです。ですが少し目線を変えて商品の製造過程や企業としての取り組みを見てみると、今まで見えなかった大切なコトが少しずつ見えてきます。
ユニクロの対応の何が問題だったのかいまいち分からなかった方、同じようにユニクロが好きであるがゆえに失望してしまった方、この記事がそんな気持ちが晴れるキッカケになっていたらとても嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。