SDGsの理解を深めるため17の目標を一つずつ解説するシリーズ[What’s SDGs]
SDGsを豊かな生活を送るヒントとして自分事として考え行動することを目的としています。
こんな方におススメです
- SDGsとはどんな内容か知りたい
- SDGsを達成するために個人でできることを知りたい
SDGsを取り組むメリット
SDGsを意識することで自然と毎日の行動が変わり生活の質が向上していきます。
一見関係のないように見えますが、SDGsを意識することでシンプルでミニマルな生活を送ることに繋がると感じています。
考え方が変わると日々の選択が変わり、行動が変わる。
何が必要で何が必要でないかが見えてくるとシンプルでミニマルな生活にぐっと近づくと思います。ぜひ最後までご覧ください。
SDGssを理解するメリット
- SDGsに対する個人の取り組むべき行動はQOL(生活の質)を向上することに繋がる
- モノやコトを選ぶ基準が変わり責任ある選択ができる
- 本当に必要なモノ・コトが明確になり、ミニマルな思考になる
SDGsとは?【SDGsをわかりやすく解説】
SDGsを目標別にわかりやすく解説 【What’s SDGs ?】記事はこちら
SDGs 目標14 海の豊かさを守ろう【What’s SDGs ? #14】
今回はSDGs目標14「海の豊かさを守ろう」
海の豊かさとはなんでしょうか?それれは、見た目のキレイさではなく、魚など水中を住みかとする生き物が繁殖しやすい環境を豊かさとしています。目標14では人間の生活や社会活動によって海が汚染され、本来の生態系が崩れていくことを指摘しており、それに対する必要なアクションについて解説されています。
まずはターゲットをざっとみつつ、現状を知り、最後に自分たち個人に何ができるかを考えてみます。
目標14のターゲット
ターゲットとは?
「1-1」のように数字で示されるものは、それぞれの項目の達成目標を示し、「1-a」のようにアルファベットで示されるものは、実現のための方法を示しています
ターゲット
- 【14-1】2025年までに、海洋ごみや富栄養化※など、特に陸上の人間の活動によるものをふくめ、あらゆる海の汚染をふせぎ、大きく減らす。
- 【14-2】2020年までに、海と沿岸の生態系に重大な悪い影響がでないように、回復力を高めることなどによって、持続的な管理や保護をおこなう。健全で生産的な海を実現できるように、海と沿岸の生態系を回復させるための取り組みをおこなう。
- 【14-3】あらゆるレベルでの科学的な協力をすすめるなどして、海洋酸性化※の影響が最小限になるようにし、対策をとる。
- 【14-4】魚介類など水産資源を、種ごとの特ちょうを考えながら、少なくともその種の全体の数を減らさずに漁ができる最大のレベルにまで、できるだけ早く回復できるようにする。そのために、2020年までに、魚をとる量を効果的に制限し、魚のとりすぎ、法に反した漁業や破壊的な漁業などをなくし、科学的な管理計画を実施する。
- 【14-5】国内法や国際法を守りながら、手に入るもっともよい科学的な情報に基づいて、2020年までに、少なくとも世界中の沿岸域(海岸線をはさんだ陸と海からなる区域)や海域の10%を保全する。
- 【14-6】2020年までに、必要以上の量の魚をとる能力や、魚のとりすぎを助長するような漁業への補助金を禁止し、法に反した、または報告や規制のない漁業につながるような漁業補助金をなくし、そのような補助金を新たに作らないようにする。その際、開発途上国やもっとも開発が遅れている国ぐにに対する適切で効果的な、特別な先進国と異なる扱いが、世界貿易機関(WTO)の漁業補助金についての交渉の重要な点であることを認識する。
- 【14-7】漁業や水産物の養殖、観光を持続的に管理できるようにし、2030年までに、開発途上の小さい島国や、もっとも開発が遅れている国ぐにが、海洋資源を持続的に利用することで、より大きな経済的利益を得られるようにする。
- 【14-a】より健全な海をつくり、開発途上国、特に開発途上の小さい島国や、もっとも開発が遅れている国ぐにおいて、海洋生物の多様性がその国の開発により貢献できるように、ユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを考えに入れながら、科学的知識を増やしたり、研究能力を向上させたり、海洋技術が開発途上国で使えるようにしたりする。
- 【14-b】小規模で漁業をおこなう漁師たちが、海洋資源や市場を利用できるようにする。
- 【14-c】「私たちが望む未来」※で言及されたように、海と海洋資源の保全と持続可能な利用のための法的な枠組みを定めた国際法(国連海洋法条約)を実施して、海と海洋資源の保護、持続可能な利用を強化する。
なぜ目標14が必要なのか?
私たちが使っているペットボトルやビニール袋などのプラスチックゴミが年間800万トン、海に流れ出ています。
最近ではレジ袋の有料化やプラスチックストローの廃止、ラベルの簡素化など生活中で当たり前に使われていたプラスチック素材の見直しが始まっています。
その背景にはペットボトルやプラスチックごみが不当に廃棄されている結果、海に様々な悪影響が出ています。
海の環境破壊とその原因
- 世界の海洋汚染の約80%は、陸の活動で発生した汚染によるもの。処理されることなく排出される農業排水、沿岸の観光、都市開発や製造業など様々な陸上での活動が海洋にくらす生き物の生態を脅かす海洋汚染の原因となっています。
- 下水や農業排水に含まれる過剰な栄養素が海に流出することで、ほとんどの海洋生物が生存できなくなる「デッドゾーン」と呼ばれる低酸素(貧酸素)地域の数が増えています。現在、世界中で500近くのデッドゾーンが確認されており、その面積は24万5000km²以上に及び、イギリスの国土の広さとほぼ同じくらいです。
- 毎年2億2000万トンを超えるプラスチックが生産されています。プラスチックは、非常に便利なものです。とても軽いので、様々なもののパッケージに利用されるほか、電話、コンピューター、医療機器などにも欠かせません。しかし、適切な廃棄方法が検討されていないことがよくあります。
- 国連環境計画は2006年に海の1平方マイルごとに4万6000個の浮遊プラスチックが含まれていると推定しました。廃棄されると、プラスチックは風化し、マイクロプラスチックと呼ばれる非常に小さな破片になります。プラスチックの破片により、毎年100万羽以上の海鳥と10万以上の海洋哺乳類が死んでいます。
世界の下水処理の現状
高所得国では、平均して、生活排水や産業排水の約70%を浄水処理してから排出しています。しかしその比率は、中所得国の中でも上位の国では38%、中所得国の中でも下位の国では28%にまで低下します。そして、低所得国では、わずか8%しか浄水処理がされていません。
世界全体で見てみると、家庭からの排水や産業排水の約80%が未処理のまま、川や海に垂れ流しになっていることになります。高所得国では、環境を守るため、そして水不足の時には浄水した水を再利用できるようにするために、高度な浄水処理を整えています。
しかし、そうしたインフラを整える資金や技術がなかったり、排水を規制する法律や制度がなかったりする開発途上国では、生活排水や産業排水を未処理のまま川や海に垂れ流すことは、一般的な慣行であり続けています。
世界220の沿岸地域の水質を得点で表すと?
(0点=汚染がひどい⇔100点=水がきれい!)
漁獲量と持続可能な資源
生き物が繁殖していくスピードや個体数の把握など科学的な知識を生かし、とりすぎないように管理していけば、海の恵みは「持続可能」な資源になります。しかし、世界の国々が協力して上手に管理できず、奪い合うように海の生き物をとると、海の恵み(海洋資源)はいつか「枯渇」してしまうかもしれません。
そうなると、海の恵み(海洋資源)をいただく私たちも、海で漁をして生計を立てている人たちも大変困ることになります。そして、残念なことに、生物学的に「持続可能」な水準にある魚類資源の割合は1974年の90%から、2015年には67%へと減少してしまっています
海の恵み(海洋資源)を守るために、漁獲量を管理し、調整することが大切ですが、一国だけが漁獲量を調整しても、他の国がその魚を乱獲しては、いずれその魚が海から消えてしまうかもしれません。世界は海でつながっているので、海洋資源を守るためには国際社会で協力していくことが必要不可欠です。
自分ができること
マイバッグを使う
レジ袋の有料化がきっかけとなり、マイバッグを使う人も増えたかと重います。自分もその一人です。マイバッグを使うことでごみの原因となるレジ袋が減らすことが出来ます。
しかし実はこの取り組み事態は賛否両論あります。なぜなら、レジ袋をごみ袋として使う家庭が多く、結局ごみ袋を買う機会が増えるためさほど効果はないという意見です。また、有料化といっても一番大きいサイズで5円ほどですので気にせず買う人も多いはずです。
マイバッグを持ち歩くことでついで買いで発生するレジ袋を防ぐことはできますので、実践しながら、ごみ袋そのものも環境に良いものを選んだり、お店が提供する環境に良い素材(リサイクルや分解可能な素材)で出来た袋は使用してみるなど、俯瞰してみた行動も必要だと思います。
マイボトルをつかう
マイボトルをつかうことでペットボトルの利用を減らすことが出来ます。マイボトルを持ち歩くことはごみを減らす効果だけでなく、外出時に自宅で作った飲み物を持ち歩けば、ドリンクを買う必要がないため節約にもなります。
最近では「my mizu」や「無印良品」では無料で水を提供する給水スポットを設置し、マイボトルの使用を促すなど積極的に取り組んでいます。
清掃活動に参加する
海岸のごみ拾いなど地域単位や活動グループとしての取り組みもたくさんあります。数字だけではわからない実際の環境状態を知るときっと行動に移しやすくなると思います。
まとめ
POINT
- 人間の社会活動によって海の環境汚染は進んでいる
- 持続可能な漁獲量を守るためには世界の国々の協力が必要
- 個人でできることはマイバッグ・マイボトルの活用をしたり、ごみ拾いに参加する
目標14の自分たちにできる取り組みは比較的生活の中に取り入れやすい内容になっていることがわかります。少し行動を変えることで無理なくできることだと思いますので、気軽に試してみてほしいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。