【書籍レビュー】超ファシリテーター力とは?現役アナウンサーから役割とコツを学ぶ
今回はここ数年でよく耳にする言葉「ファシリテーター」について書かれた本をご紹介します。
毎年新しい横文字が出てきますが、多分に漏れず今回も全くピンと来ない用語でしたがこちらの本を読むと「なるほど、これは使える技術だ」と思わされました。
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著者はテレビ朝日アナウンサーの平石直之さん。ABEMAprimeの進行担当されている方です。
僕もABEMAprimeをきっかけに平石さんを知り、議論をファシリテーターとしてさばく姿を見たことでこの本に興味を持ちました。
著者が現役のアナウンサーで、本に書かれている内容を実践している姿が見れることが、この本の説得力と魅力を表しています。
こんな方にオススメです
- ・長いだけの会議を短く効率よくしたい
- 論点をズラさずに議論を行い有意義な会議にしたい
- 言いたいことはあるけど会議で発言することが苦手
ファシリテーターとは?
ファシリテーター(英語: facilitator)とは、会議や議論の際に、グループがより協力し、共通の目的を理解し、目的達成のための計画立案を支援する人のことである。ファシリテーターは議論の中で、参加者の様々な意見や考えを公平に扱い、特定の側に立つことはなく[1]、また、自身がイメージする意図や落とし所に参加者たちを誘導しないよう、2つの意味で中立の立場を保つ[2]。
ファシリテーターの手法には、グループが行動するための確かな基盤を持てるように、前から存在していた、あるいは、会議の中で現れた意見の相違について、合意に達するよう支援をしようとするものもある。
Wikipediaより
ファシリテーターは常に議論の中で中立であり、計画立案を支援する人ということでした。
中立であることはイメージしやすいですが、”支援する人”という意味合いがなんとなく新鮮であり、議論を気持ちよく進めるキーになっているように感じました。
ファシリテーション力とは?
まずはファシリテーション力とは?という結論の部分ですが、
平石さんは「ファシリテーションとは準備が9割」そして「聞く力」と書かれています。
準備とは資料作成など物理的な問題ではなく、まずは心構えの部分として。
その人にとって「これだけは言いたい」というコアな主張を話してもらう
ファシリテーターとして「これだけは聞きたい」をきちんと聞くこと。
この二つを踏まえて”芯を外さない進行”をすることが重要だと書かれています。
そしてこの本はQ&A方式で、会議や議論を進める上での疑問を解決していくような構成になっておりとても読みやすく書かれていました。
今回はファシリテーター力を「心構え」と「テクニック」に分けて簡単にまとめてみました。
ファシリテーターに必要な「心構え」
- 発言者へリスペクトの気持ちをもつ
- 会議はチームプレイ
- 話し手の熱量と参加者の反応を見てフレキシブルな対応を
- 進行ロボットにはならない。参加メンバーである自覚を。
- シナリオにとらわれない。目的と論点は忘れずに。
ファシリテーターに必要な「テクニック」
- 話しやすい雰囲気作り”反復・要約・同調”
- 沈黙を埋めて考える時間を
- 手ぶらはNG。自分なりの仮説を用意する
- ファシリテーターの存在を事前に周知させる
- スタートこそ重要。否定的は言葉は避ける。
- アジェンダ、議題、論点を開示。参加者全員で進める
詳細は割愛しますが、比較的イメージしやすいタイトルになっているように感じます。
この本は難しい言葉を一切使っていないことも読みやすいポイントだと思います。
ファシリテーションは準備が9割
はじめにご紹介した「ファリシテーションは準備が9割」についても具体的に書かれています。
- 議題の優先順位をつける
- ロビイングで空気作り(雑談で話しやすい場の空気を作る)
- 何を目的に情報収集しているか忘れない
このようなポイントを意識して「論点整理」を行うことが重要だと言います。
会議の中で議論が白熱したり脱線したりして、「何を決めるんだっけ?」なんてことありませんか?個人的にも非常に思い当たるところがあります。
また、論点整理がされていないまま、ふわっとした議題でスタートする会議こそ不毛なものはありませんよね。
どんな問題を優先的に解決するのか。必要な情報は何か。参加者全員が話しやすい空気になっているか。
ファシリテーションに関わらず重要なポイントだと思いますが、ファシリテーターが率先して行動できるとスピーディに効率的な会議が実現できるかもしれませんね。
論点整理をする上で、日常的に要点まとめを習慣化させることができることができます。
Twitterで要点まとめの習慣化
Twitterは140文字という制限があるので、要点まとめに最適だと書かれています。
- 要点整理のコツは「見出し」を考えるイメージ
- 箇条書きの習慣でアジェンダを要約
- 問いかけで深掘り(例えば?他にはどんなことが?)
- 140文字でまとめる癖付け
確かに、文字制限があるとまとめざるを得ないですよね。また箇条書きも、重要なトピックスだけ抜き出すトレーニングになりそうです。
さらに問いかけを行うことで、目的が明確化され、想定される質問がイメージできるなど重要な準備だと感じます。何より、Twitterというところが無料で気軽に始めやすいのでいいですね。
キラーフレーズ集で”遮る”ではなく”引き取る”
最後に「ファリシテーションで使えるキラーフレーズ集」が載っています。
ここで印象的だったのが”遮る”ではなく”引き取る”です。
キラーフレーズで文字通り発言者を仕留める。わけではなく…笑
意見を遮えぎらずファシリテーターが引き取って論点整理したり疑問点を提示するとことが重要だということです。
こういったところにファシリテーターとしての「心構え」が見えるようで、ファシリテーターの考え方の一貫性を感じました。
キラーフレーズの中から一部を抜粋してご紹介します。
万能なフレーズ
- 引き取ります
- まだまとまってないのですが…みんなの意見で学んだんですが…
- 残り10分です。まとめましょう。※時間の意識
場を円滑にする「助け舟」
- 改めて時間を設けましょう(目的と異なる内容の場合)
- つまりこういう解釈であってますか?
- AかBで言うとどちらですか?
まとめ
- ファシリテーションは「準備が9割」「聞く力」
- 「心構え」と「テクニック」で言いたいこと、聞きたいことを外さない進行
- Twitterで要点まとめの習慣化。論点整理を身につける。
ファシリテーターの必要な考え方やスキルがわかりやすく書かれていましたが、会議の参加者全員がこの意識を持てれば会議は効率的で楽しい時間になると思いました。
普段の不毛で長い会議をファシリテーション力で超えていきたいと思います。頑張れ自分。
気になる方はぜひ、実際に読んでみてください。そしてABEMAprimeの平石さんをぜひ見てください。曲者揃いの出演者を相手に見事にファシリテーションされています。
最後までご覧いただきありがとうございました。