SDGsの理解を深めるため17の目標を一つずつ解説するシリーズ[What’s SDGs]
SDGsを豊かな生活を送るヒントとして自分事として考え行動することを目的としています。
こんな方におススメです
- SDGsに興味がある
- SDGsについてどんな行動すればよいのかわからない
SDGsを取り組むメリット
SDGsを意識することで自然と毎日の行動が変わり生活の質が向上していきます。
一見関係のないように見えますが、SDGsを意識することでシンプルでミニマルな生活を送ることに繋がると感じています。
考え方が変わると日々の選択が変わり、行動が変わる。
何が必要で何が必要でないかが見えてくるとシンプルでミニマルな生活にぐっと近づくと思います。ぜひ最後までご覧ください。
SDGssを理解するメリット
- SDGsに対する個人の取り組むべき行動はQOL(生活の質)を向上することに繋がる
- モノやコトを選ぶ基準が変わり責任ある選択ができる
- 本当に必要なモノ・コトが明確になり、ミニマルな思考になる
まずはSDGsをざっくり理解しよう。
【What’s SDGs】はこちら
SDGs 目標12 つくる責任つかう責任 【What’s SDGs ? #12 】
今回は目標12「つくる責任つかう責任」
「つかう責任」という言葉からは「消費者の行動を変える必要がある」とイメージできますが、実は「つくる責任=企業・会社の運用体制」が大きな環境負荷を与えており、持続可能な事業にするために見直す必要があるというテーマになっています。まずはターゲットから見ていきましょう。
目標12のターゲット
ターゲットとは?
ターゲットとは「1-1」のように数字で示されるものは、それぞれの項目の達成目標を示しています「1-a」のようにアルファベットで示されるものは、実現のための方法を示しています
ターゲット
- 【12-1】持続可能な消費と生産の10年計画※を実行する。先進国がリーダーとなり、開発途上国の開発の状況や対応力も考えに入れながら、すべての国が行動する。
※持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み:2012年の国連持続可能な開発会議(リオ+20)で決められた。各国からの拠出金で設立された基金を通じて、二酸化炭素の排出を減らすライフスタイルと持続可能な消費と生産を実現する社会の仕組みを作ることを目指した計画
- 【12-2】2030年までに、天然資源を持続的に管理し、効率よく使えるようにする。
- 【12-3】2030年までに、お店や消費者のところで捨てられる食料(一人当たりの量)を半分に減らす。また、生産者からお店への流れのなかで、食料が捨てられたり、失われたりすることを減らす。
- 【12-4】2020年までに、国際的な取り決めにしたがって、化学物質やあらゆる廃棄物(ごみ)を環境に害を与えないように管理できるようにする。人の健康や自然環境に与える悪い影響をできるかぎり小さくするために、大気、水、土壌へ化学物質やごみが出されることを大きく減らす。
- 【12-5】2030年までに、ごみが出ることを防いだり、減らしたり、リサイクル・リユースをして、ごみの発生する量を大きく減らす。
- 【12-6】とくに大きな会社やさまざまな国で活動する会社に、持続可能な取り組みをはじめ、会社の成果を報告する定期的なレポートに持続可能性についての情報をふくめるようにすすめる。
- 【12-7】国の政策や優先されることにしたがって、国や自治体がものやサービスを買うときには、それが持続可能な形で行われるようすすめる。
- 【12-8】2030年までに、人びとがあらゆる場所で、持続可能な開発や、自然と調和したくらし方に関する情報と意識を持つようにする。
- 【12-a】開発途上国が、より持続可能な消費や生産の形をすすめられるよう、科学的および技術的な能力の強化を支援する。
- 【12-b】地域に仕事を生み出したり、地方の文化や特産品を広めるような持続可能な観光業に対して、持続可能な開発がもたらす影響をはかるための方法を考え、実行する。
- 【12-c】資源のむだづかいにつながるような化石燃料(石油など)に対する補助金の仕組みを変える。そのために、各国の状況に応じて、税金の制度を改正したり、有害な補助金があれば環境への影響を考えて段階的になくしたりして、化石燃料が適正に売り買いされるようにする。そのとき、開発途上国の状況や必要としていることなどを十分に考え、貧しい人や影響を受けるコミュニティが守られるようにして、開発にあたえる影響をできる限り小さくする。
なぜ目標12が必要なのか?
それは資源の大量消費やごみ排出量の増加による環境への負担が大きく、このままでは地球に住むことが出来なくなる危機があるからです。
需要と供給、生産者と消費者などいろいろな言い方があり、取り上げられるのは主に消費者側のケースが多いように感じます。ごみの問題もそうですが、大量消費を当たり前とする商品行動に疑問を投げかけることはよく目にすると思います。
僕自身、ファッション業界にいるとよく感じます。服は大量に消費され、その後ごみとして焼却されるケースが多いため大きな問題になっています。
目標12では「つかう責任=消費者」だけではなく「つくる責任=生産者(企業)」も環境負荷を限りなく抑えた持続可能な体制づくりが求められています。どちらか一方が取り組むのではなく、双方が意識改革、行動変革を行う必要があることを求めているのが目標12と言えます。
どんな問題がある?
では現状、どんな問題があるのか見ていきます。資源と一口に言ってもいろんなジャンルがありそれぞれ抱えている問題があります。
フードロス
世界で生産されている食料のうち3分の1が、生産から消費にいたる道筋のなかで、捨てられてしまっています。食材別の状況を見てみましょう。
- 世界で2億6300万トンのお肉が生産され、そのうち、約20%が捨てられています。これは7500万頭の牛に相当します。
- 北アメリカとオセアニアだけで、581万4000トンのいも類が、実際に買ったり食べたりする段階だけで捨てられています。10億袋分以上のジャガイモに相当します。
- 果物や野菜はすべての食べ物の中でも捨てられている割合が高い食料です。リンゴでいうと、3.7兆個のリンゴに相当します。
- ヨーロッパだけでおよそ20%、2900万トンの乳製品が毎年捨てられています。これは5740億個の卵に相当します。
- 先進工業国では、2億8600万トンの穀物が捨てられています。これは全体のおよそ30%に相当します。
- 漁業で網にかかった魚のうち8%は、市場へ出ることなく海へ返されます。その多くは死んでしまったり、死にかけていたり、ひどく傷ついたりした魚です。30億匹のアトランティック・サーモンに相当します。
ターゲット【12-3】でもあるように食料の廃棄は大きな問題です。たまにニュースでも聞きますが、味は店頭に並ぶ商品と変わらないものの、少し見た目が悪いものは廃棄をされたりしています。
その廃棄物を利用した新たな商品販売が行われていると、取り上げられたりしていますがこういった取り組みを積極的に行う必要があります。
自分たちの見えないところで廃棄されている場面がいくつもあることがわかります。
アース・オーバーシュート・デイ-1年分の資源を使いきる日-
アース・オーバーシュート・デーという言葉を知っていますでしょうか?馴染のない言葉ですよね。僕も知りませんでした。
世界全体で、1年間に使えるだけの資源の量を使い切ってしまう日のことを「アース・オーバーシュート・デー」といいます。国際的な研究機関「グローバル・フットプリント・ネットワーク」が算出して発表しています。
2020年、この日は8月22日と発表されました。世界中に広まった新型コロナウイルスの影響で、昨年よりも1カ月近く遅くなりました。外出自粛やロックダウンにより、人びとの活動が減り、工場や商店の休止など経済活動が止まったことで、CO2の排出削減や資源利用の減少につながりました。これが昨年よりも遅くなった理由だと言えます。
しかし、新型コロナウイルスが発生するまでの近年の傾向では、だんだんとこの日は早まっていたそうです。そして、遅くなったとはいえ、人類は8月22日にその年に使える資源を使い切っている計算となります。つまり、人類は、生態系が再生する早さよりも1.6倍速く自然資源を消費しており、足りない分は将来の人びとが使うはずだった分を先取りして使っているのです。言いかえると、人類がいまの暮らしをこのまま続けるためには、1.6個分の地球が必要だということになります。
オーバーシュート・デーは、国ごとにも算出されていて2020年の日本のオーバーシュート・デーは、5月12日と発表されました。世界の平均よりもおよそ3カ月半早く、資源を使い切っている計算です。
資源を使いすぎる生活は、温暖化や気候変動、さまざまな環境問題につながっています。1個の地球で暮らし続けるために、知恵を出し、協力して、資源を使いすぎない暮らしを作り上げる必要があります。
自分ができること
必要な量だけ購入する
エネルギーや食料、衣服など必要以上に使わない・購入しないことが大切です。フードロスや服の大量廃棄も、そもそも必要な量だけあれば起こることはありません。
また、需要が膨らむと企業は大量生産を行います。大量生産が起こると各所で資源の食いつぶしが始まる負のスパイラルとなってしまいます。
購入する瞬間だけを考えるのではなく、少し立ち止まって長期的な目線で考え、適切な消費行動を行う必要があります。
フードロスやエネルギーについては以下の目標で解説していますのでぜひチェックしてみてください。
リユース・リサイクルを利用する
使用しモノを廃棄してしまうのではなく、リユース・リサイクルを利用することも重要な行動です。
例えばファッション業界では古着の利用や、リサイクル素材を使用した製品などがあげられます。服の使用後のゆくえとして最も多いのは廃棄となっており、まだまだリユース・リサイクルの活用は広がっていません。
「BRING」というブランドは洋服を回収し、分解後に独自の製法でポリエステル素材を生み出し、新たな商品として販売しています。使用後はまた回収し、製品を作るという循環型の製造方法を実現しています。
その他ECOALFやadidasなどはプラスチックを原料とした商品を製作するなど、積極的な取り組みを行っているブランドもあります。
国の取り組みとしては環境省が「サスティナブルファッション」というサイトを作成し、これからの必要なファッションのあり方について解説しています。
こちらも別の記事でご紹介していますのでぜひチェックしてみてください。
まとめ
POINT
- 目標12は消費者と企業の双方が意識改革をする必要がある
- 必要最低限の商品・数量を買う
- リユース・リサイクルを活用してみる
SDGsは誰か一人だけが積極的に取り組んでも達成できない目標であり、地球上すべての人や国が参加し取り組むべき目標です。
しかし実際は先進国の大企業が果たすべき役割が多かったり、偏りがあるのも事実だと思います。消費者としてできることは地道ですぐには改善している実感わかないかもしれませんが、行動しないことには現状を変えることはできません。
自分にできることは決してハードルが高い内容ではなく、少し行動を変えることで無理なくできることだと思いますので、気軽に試してみてほしいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
参考:SDGs CLUB